司馬さん一日一語☞『養生』(ようじょう)


「養生」というのは、
鎌倉時代もしくは
それ以前からある
口語である。

水道の管理は、市民の養生のために大切です。
とはいわず、明治後はそのことを衛生という。
「田舎へ養生にゆく」というふるめかしい言い方も、しだいに保養ということばに取ってかわってゆく。
江戸中期の医家の貝原益軒の著『養生訓』の養生には、漢方医学的な思想がこめられている。
漢方では、病いからのがれて長寿を得る方法—養生—は平素の飲食(おんじき)や暮らし方、気の持ちようにある、とされる。
養生は総合的な意味をもつが、これに対し、保健、衛生、保養、摂生といった近代語は、概念が厳密で、幅がせまい。

☞出典:『街道をゆく』41
北のまほろば(朝日文庫)

 

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