司馬さん一日一語☞『無常』(むじょう)


つまり
一定のままではない
ということですね。

天然の無常というのは、いい言葉ですね。
つまり、大思想によっては教えられなかったかもしれないけれど、既にあったもの、そういう意味ですね。
この日本列島に自然に湧いて出た、いろいろな地理的環境、あるいは揺れたり洪水があったりする大地の問題から出てきた。
つまり「天然の無常」。
仏教を「無常」としてとらえる。
諸行すなわち世間一切のもの、そして万象のことごとくは、生じたり滅したりしてとどまることなく移り変わって、「常任」、つまり一定のままではないということですね。
『平家物語』のテーマは人の世のはかなさ「無常」そのものです。
その後も「無常さ」ということをずっと言い続けてきたというのがやはり吉田松陰の中にありますね。(淡白な精神とか無私の精神)

※「天然の無常」とは、「日本人は「天然の無常」という独得の自然感覚を抱いて、自然の猛威に対処し、自然がひきおこす災害に耐えてきた」。
という寺田寅彦の言葉。

☞出典:対談「日本人の死生観」より

 

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