司馬さん一日一語☞『一所懸命』


自分の田畑という
一所のために
命を懸けるという
あり方が、
一所懸命という
慣用語を生んだ。


一所懸命(いっしょけんめい)という姿勢は、律令時代の農民には
なかったであろう。

その一所のために自作農は新興有勢家を頼り、新興有勢家は、自分たちの旗頭たるべき者を頼るのである。
「頼もしき」ということばも、この社会のなかでできあがった。

☞出典:『ある運命について』(中央公論社)
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おれが開墾したところはおれの地面だということになってはじめて、リアリズムが成立します。

「一所懸命」と言いますが、
ご存じのように、一つの所に命を懸ける。

これはおれの父祖が耕した地面で、この一所に自分は命を懸ける。
その一所懸命という、鎌倉幕府を成立させたひとびとの言葉が、
いまだに残っているのです。

☞出典:『司馬遼太郎全講演 第2巻』(朝日新聞社)

 

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