司馬さん一日一語☞『愚行』


日露戦争後の
最初の愚行は、
官修の
『日露戦史』に
おいてすべて
都合のわるいことは
隠蔽したこと
である。


これによって国民は何事も知らされず、むしろ日本が神秘的な強国であるということを教えられるのみであり、小学校教育によってそのように信じさせられた世代が、やがては昭和陸軍の幹部になり、日露戦争当時の軍人とはまるでちがった質の人間群というか、ともかく狂暴としか言いようのない自己肥大の集団をつくって昭和日本の運命をとほうもない方角へひきずってゆくのである。

もし日露戦争がおわったあと、それを(勝ったのではない勝たせてくれた戦争の科学的解剖/世界中の同情が弱者である日本に傾いていたし、帝政ロシアの無制限なアジア侵略に危機意識をもっていた)冷静に分析する国民気分が存在していたならばその後の日本の歴史は変わっていたかもしれない。

 

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