司馬さん一日一語☞『義』(ぎ)


義は戦国期(中国)に
できあがった倫理では
ないかと思われる。

義とは、骨肉の情や、人間としての自然の情(たとえば命が惜しい
など)を越えて倫理的にそうあらねばならぬことをさす。

義は戦国期(中国)にできあがった倫理ではないかと思われる。
のちに儒教にとり入れられて内容が複雑になり、また反面義という
文字から儀礼の儀という文字が作られてゆくように儒教では多分に
形骸化されて礼儀作法とか、人と人とのつきあいの仕方といったものへ衰弱してしまう。

義という文字は、解字からいえば
羊と我を複合させて作られたとされる。羊はヒツジから転じて美しいという意味をもつ。

羊・我は、「我を美しくする」ということであろう。
古義では「人が美しく舞う姿」をさしたともいわれるが、要するに
人情という我を殺して倫理的な美を遂げる—-命がけのかっこうよさ
—ということを言い、この秦末の乱世では、庶民のはしばしまでこの言葉を口にした。

☞出典:『項羽と劉邦』(新潮社)

※義という字義には“正しいことを打算や本音を越えてやること”という意味が入っています。
(義務について/ロンドンで講演)

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