司馬さん一日一語☞『新しい』


新しいという字は、
字解すると、
「木を切って立つ」
ということですね。


立ち木を切って生木の匂いがプンプンする、
それが新しいという字になった。

古代中国の殷帝国が始まる前は、
華北地方は密林だったという説があります。

切って切って切りまくって、中国文明の夜が明けた。
ですから木を切ることに罪悪感は少ない。

むしろ「新」という気持ちのいい字を作ったりする。
日本のほうは何しろ豊葦原瑞穂国でしたから、北海道以外には
木を切って農地を広げたという伝承は
残っていませんね。
弥生式農法が始まった紀元前三世紀のころを想像しても、密林と
いうイメージは浮かばない。

せいぜい河口に葦が生えている風景ぐらいですか。

☞(︎宮崎駿との対談「日本人、そして世界はどこへゆくのか」から)

 

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