司馬さん一日一語☞『随分だわね』

2018年8月1日 / 司馬さん一日一語

このことばづかいは、
明治三十年代から、
山の手を中心に
はやりはじめた
ものかと
おもわれる。

鴎外は、明治四十二年、『団子坂』という題の小品を書いた。
「……あなたが僕の傍に来て、いくら堅くしていたって、僕の目はあなたの体のどんな線をだって見ます。そしてあなたはそれを防ぐことが出来ないのです」
女、「随分だわね」と、下を向く。
漱石の『三四郎』のなかでも、美穪子が、軽く相手を非難するとき「随分ね」（ずいぶんね）という。
このことばづかいは、明治三十年代から、山の手を中心にはやりはじめたものかとおもわれる。
『日本国語大辞典』では“近代、多く女性の間に用いられる語”として、“非道であるさま。はなはだしく非難すべきさま”とある。

☞出典：︎『街道をゆく』37
本郷界隈（朝日文庫）

このことばづかいは、 明治三十年代から、 山の手を中心に はやりはじめた ものかと おもわれる。

おすすめ記事

司馬さん一日一語☞『愛』

司馬さん一日一語☞『アリノミ』

司馬さん一日一語☞『犬』

司馬さん一日一語☞『演説』

司馬さん一日一語☞『おきゃん』

司馬さん一日一語☞『お国』

司馬さん一日一語☞『戒名』

司馬さん一日一語☞『蕪』（かぶ）

司馬さん一日一語☞『胡桃』（くるみ）

司馬さん一日一語☞『好色という文化』

司馬さん一日一語☞『居士』（こじ）

司馬さん一日一語☞『コロボックル』

司馬さん一日一語☞『金平糖』

司馬さん一日一語☞『させて頂きます』

司馬さん一日一語☞『樒』（しきみ）

司馬さん一日一語☞『しづ』

司馬さん一日一語☞『遮光器土偶』

司馬さん一日一語☞『数寄』（すうき）

司馬さん一日一語☞『杉』（すぎ）

司馬さん一日一語☞『正義』

司馬さん一日一語☞『製紙』（せいし）

司馬さん一日一語☞『大儀』（たいぎ）

司馬さん一日一語☞『大納言』（だいなごん）

司馬さん一日一語☞『ダテ』

司馬さん一日一語☞『丹前』（たんぜん）

司馬さん一日一語☞『蝶』

司馬さん一日一語☞『九十九髪』

司馬さん一日一語☞『です』

司馬さん一日一語☞『出戻り』（でもどり）

司馬さん一日一語☞『陶芸』

司馬さん一日一語☞『豆腐』（とうふ）

司馬さん一日一語☞『どこの馬の骨』

司馬さん一日一語☞『名乗』（なのり）

司馬さん一日一語☞『ニシン』

司馬さん一日一語☞『日本人』

司馬さん一日一語☞『合歓の花』

司馬さん一日一語☞『土師器』（はじき）

司馬さん一日一語☞『芭蕉』（ばしょう）

司馬さん一日一語☞『畠』（はたけ）

司馬さん一日一語☞『花のような』

司馬さん一日一語☞『ハマナス』

司馬さん一日一語☞『万里の長城』

司馬さん一日一語☞『標準語』

司馬さん一日一語☞『備長炭』

司馬さん一日一語☞『葡萄』（ぶどう）

司馬さん一日一語☞『べに』

司馬さん一日一語☞『桃』（もも）

司馬さん一日一語☞『物の怪』（もののけ）

司馬さん一日一語☞『木綿』（もめん）

司馬さん一日一語☞『主水』（もんど）

司馬さん一日一語☞『山伏』（やまぶし）

関連記事＆広告

このことばづかいは、
明治三十年代から、
山の手を中心に
はやりはじめた
ものかと
おもわれる。