司馬さん一日一語☞『社稷』(しゃしょく)


もとの意味は、
対の壇のこと
である。


社稷(しゃしょく)という漢語がある。

転じて国家と同義語になった。
もとの意味は、対の壇のことである。二基あった。
古代中国で、一つの王朝が興ると、創業の王が、首都の一隅にひっそりと二つの相似形の壇を築いた。
社は、土地の神という意味である。
稷とは、原義はキビのことで、転じて五穀一般、食物すべてのこと。
さらに転じてそれを司る神のことをいう。
要するに、古代中国の都市国家では、建国の王が首都の一隅に—-しばしば宮殿の一隅に—社稷をまつる壇をつくった。
社稷はひとの目にさらされることはなく、とくに神官もいなかった。
時を定めて王のみが参拝した。
他のものは—王族といえども—これをまつることはできなかった。
その王朝が亡ぶとその社稷も亡び、一空に帰した。
構造物ながら、考えようによっては、生きものに似ていた。

☞出典:「神道」より

 

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