司馬さん一日一語☞『アヅミ』

2019年1月8日 / 司馬さん一日一語

アヅミのヅミとは、
トモ、ツモという
古代語と同義語
だったのではないか。

強いて漢字にすると、
友、つまりグループということだろう（他の例でいうと出雲、大伴などがある）。
かれら海人の居住地が、アヅミという地名になっていまも痕跡をのこしている。
愛知県の渥美郡・渥美半島には
阿曇連（むらじ）が住んでいた伝承があるからアヅミの転訛にちがいない。
伊豆の熱海も、熱い湯が海にまで流れていた、という漢字表記による地名考より、アヅミの転訛と考えたほうがよさそうである。
かれらの一部はやがて内陸に入って湖沼河川業をし、また農民になった。
そのことを示す名残りの地名として、琵琶湖西岸の安曇川町・安曇川があり、また信州には安曇野がある。
ほかに、安積、厚見といった表記
の地名も、アヅミ居住地だった名残りである。

アヅミとよばれた海人グループは、海神として宗像大神を奉じた。このため、「宗像」という地名が、その居住地につけられた例も多く、また神社の名として残っている。
その本拠地が、玄界灘に望む宗像郡（福岡県）である。
この神社の奥の院とよぶべき神聖島が、玄界灘にうかぶ沖ノ島で、
無人島ながら、四世紀後半から九世紀初頭までのさまざまな神宝が
のこされている。

☞（「わだつみ」から）

アヅミのヅミとは、 トモ、ツモという 古代語と同義語 だったのではないか。

おすすめ記事

司馬さん一日一語☞『愛』

司馬さん一日一語☞『アリノミ』

司馬さん一日一語☞『犬』

司馬さん一日一語☞『演説』

司馬さん一日一語☞『おきゃん』

司馬さん一日一語☞『お国』

司馬さん一日一語☞『戒名』

司馬さん一日一語☞『蕪』（かぶ）

司馬さん一日一語☞『胡桃』（くるみ）

司馬さん一日一語☞『好色という文化』

司馬さん一日一語☞『居士』（こじ）

司馬さん一日一語☞『コロボックル』

司馬さん一日一語☞『金平糖』

司馬さん一日一語☞『させて頂きます』

司馬さん一日一語☞『樒』（しきみ）

司馬さん一日一語☞『しづ』

司馬さん一日一語☞『遮光器土偶』

司馬さん一日一語☞『数寄』（すうき）

司馬さん一日一語☞『杉』（すぎ）

司馬さん一日一語☞『正義』

司馬さん一日一語☞『製紙』（せいし）

司馬さん一日一語☞『大儀』（たいぎ）

司馬さん一日一語☞『大納言』（だいなごん）

司馬さん一日一語☞『ダテ』

司馬さん一日一語☞『丹前』（たんぜん）

司馬さん一日一語☞『蝶』

司馬さん一日一語☞『九十九髪』

司馬さん一日一語☞『です』

司馬さん一日一語☞『出戻り』（でもどり）

司馬さん一日一語☞『陶芸』

司馬さん一日一語☞『豆腐』（とうふ）

司馬さん一日一語☞『どこの馬の骨』

司馬さん一日一語☞『名乗』（なのり）

司馬さん一日一語☞『ニシン』

司馬さん一日一語☞『日本人』

司馬さん一日一語☞『合歓の花』

司馬さん一日一語☞『土師器』（はじき）

司馬さん一日一語☞『芭蕉』（ばしょう）

司馬さん一日一語☞『畠』（はたけ）

司馬さん一日一語☞『花のような』

司馬さん一日一語☞『ハマナス』

司馬さん一日一語☞『万里の長城』

司馬さん一日一語☞『標準語』

司馬さん一日一語☞『備長炭』

司馬さん一日一語☞『葡萄』（ぶどう）

司馬さん一日一語☞『べに』

司馬さん一日一語☞『桃』（もも）

司馬さん一日一語☞『物の怪』（もののけ）

司馬さん一日一語☞『木綿』（もめん）

司馬さん一日一語☞『主水』（もんど）

司馬さん一日一語☞『山伏』（やまぶし）

関連記事＆広告

アヅミのヅミとは、
トモ、ツモという
古代語と同義語
だったのではないか。