司馬さん一日一語☞『ほどのよさ』

2018年10月8日 / 司馬さん一日一語

この当時
（織豊時代）の
「ほどのよさ」
というのは
その後のいい加減、
という
意味でなく、
出しゃばらない、
という
意味であった。

長宗我部盛親は性格が温厚で、口数がすくなく、おのずから長者の風のあったために、大坂城内では、
「宮内少輔どののほどのよさよ」
と、愛敬された。
盛親は政治を好まないために城内の政争には加わらず、評定などのときには、真田幸村と後藤又兵衛をつねに立て、みずから他人に先んじて発言するというようなことは一度もなかった。
後藤又兵衛が、あるとき座談して、
「土佐の国衆とは、なんと懐かし心の深いことか」
と、洩らした。
又兵衛は、盛親のまわりに寄り添うようにあつまってきている土佐人のたたずまいをみて、そう評したのである。

☞出典：︎『城塞』（新潮社）

この当時 （織豊時代）の 「ほどのよさ」 というのは その後のいい加減、 という 意味でなく、 出しゃばらない、 という 意味であった。

おすすめ記事

司馬さん一日一語☞『愛』

司馬さん一日一語☞『アリノミ』

司馬さん一日一語☞『犬』

司馬さん一日一語☞『演説』

司馬さん一日一語☞『おきゃん』

司馬さん一日一語☞『お国』

司馬さん一日一語☞『戒名』

司馬さん一日一語☞『蕪』（かぶ）

司馬さん一日一語☞『胡桃』（くるみ）

司馬さん一日一語☞『好色という文化』

司馬さん一日一語☞『居士』（こじ）

司馬さん一日一語☞『コロボックル』

司馬さん一日一語☞『金平糖』

司馬さん一日一語☞『させて頂きます』

司馬さん一日一語☞『樒』（しきみ）

司馬さん一日一語☞『しづ』

司馬さん一日一語☞『遮光器土偶』

司馬さん一日一語☞『数寄』（すうき）

司馬さん一日一語☞『杉』（すぎ）

司馬さん一日一語☞『正義』

司馬さん一日一語☞『製紙』（せいし）

司馬さん一日一語☞『大儀』（たいぎ）

司馬さん一日一語☞『大納言』（だいなごん）

司馬さん一日一語☞『ダテ』

司馬さん一日一語☞『丹前』（たんぜん）

司馬さん一日一語☞『蝶』

司馬さん一日一語☞『九十九髪』

司馬さん一日一語☞『です』

司馬さん一日一語☞『出戻り』（でもどり）

司馬さん一日一語☞『陶芸』

司馬さん一日一語☞『豆腐』（とうふ）

司馬さん一日一語☞『どこの馬の骨』

司馬さん一日一語☞『名乗』（なのり）

司馬さん一日一語☞『ニシン』

司馬さん一日一語☞『日本人』

司馬さん一日一語☞『合歓の花』

司馬さん一日一語☞『土師器』（はじき）

司馬さん一日一語☞『芭蕉』（ばしょう）

司馬さん一日一語☞『畠』（はたけ）

司馬さん一日一語☞『花のような』

司馬さん一日一語☞『ハマナス』

司馬さん一日一語☞『万里の長城』

司馬さん一日一語☞『標準語』

司馬さん一日一語☞『備長炭』

司馬さん一日一語☞『葡萄』（ぶどう）

司馬さん一日一語☞『べに』

司馬さん一日一語☞『桃』（もも）

司馬さん一日一語☞『物の怪』（もののけ）

司馬さん一日一語☞『木綿』（もめん）

司馬さん一日一語☞『主水』（もんど）

司馬さん一日一語☞『山伏』（やまぶし）

関連記事＆広告

この当時
（織豊時代）の
「ほどのよさ」
というのは
その後のいい加減、
という
意味でなく、
出しゃばらない、
という
意味であった。