司馬さん一日一語☞『名人』(めいじん)


名人ということばは
漢語にもあり、
盛名あってすぐれた人
をいうが、
日本ではふつう
技芸にすぐれた人を
いう。

鎌倉幕府の公式記録である『吾妻鏡』の文治二年四月八日のくだりに、頼朝とその御台所政子が、義経の想女であった白拍子の静御前をよんで舞わせたくだりがあるが、静について「彼は既に天下の名仁(名人)なり」とのべ、この言葉をつかっている。
舞だけでなく、弓のよき射手についても名人とよぶ。

※『吾妻鏡』のカガミというのは、いうまでもなく歴史、歴史書といった意味の和語である

☞出典:『箱根の坂』(講談社)

 

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