司馬さん一日一語☞『浮気者』

浮気者というのは、
度はずれて
自己顕示欲がつよく、
自分の武名を
高めるためには
まわりの迷惑を
考えない男という
意味である。


この時代(戦国期)、

武辺者といわれるほどの男にはこの種の者が多く、
いわば戦国期以来の武者気質のようなものだが、
その傾斜の度のすぎた者を
「浮気者」(うわきもの)といったのであろう。

—–団右衛門ト申スハ、自体(元来)、浮気ナル者ユエ。
と、この当時の記録(山本日記)などでは、塙団右衛門についての
評価は奇人というより浮気者という印象が
一般的だったらしい。

☞出典:『城塞』(新潮社)

 

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