司馬さん一日一語☞『呉服』

和服が独自の発展を
とげてからも、
これをしゃれて呉服
とよんだりした。

日本人の美意識と伝統技術が作りあげた粋というのは、なんといっても女性の和服であろう。
和服は、安土桃山という日本史に類のない芸術時代に大完成をし、
その後巧緻にみがかれてきた。

古代中国においては揚子江以南の稲作地帯を呉の国とよんでいた。
ここから上代の日本に稲作も伝わり
まだ呉織(くれはとり)と
よばれた絹織物の工人もきて、

やがて和服が独自の発展をとげてからも、これをしゃれて
呉服とよんだりした。

☞出典:「呉服と蘇州の刺繍」から

おすすめ記事

wadayuuki

Share
Published by
wadayuuki

Recent Posts

司馬さん一日一語☞『カラ』

「カラ」という 古語は、 海の…

5年 ago

司馬さん一日一語☞『傾く』(かぶく)

「傾く」(かぶく) ということ…

5年 ago

司馬さん一日一語☞『蕪』(かぶ)

蕪は、正しくは 「カブラ」で、…

5年 ago

司馬さん一日一語☞『喝』(かつ)

日本漢音ではカツ、 禅のほうで…

5年 ago

司馬さん一日一語☞『徒士』(かち)

徒士(かち)というのは下士で、…

5年 ago

司馬さん一日一語☞『カタリベ』

カタリベとは 魚類でも植物でも…

5年 ago