司馬さん一日一語☞『卯建』

うだつは、
家々の櫛比した
町家にかぎられる。


日本では室町末期に洛中洛外図屏風に見られるというが、
形としてなっとくできるそれは江戸期に入ってからで、
市街地の商家などに多い。
隣家との境に類焼ふせぎのための屋根つき・シックイ塗りの仕切り構造物をつくる。
その構造物のことをうだつ(卯建)という。
いつまでも一軒の商家がもてないことを
「うだつがあがらない」といって、言葉はなお生きている。

☞「くらしの陰翳」から

 

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